2010年10月アーカイブ

10/26 江戸指物師の皆さんとはぜ釣りに行ってまいりました。
雨模様で寒く、釣果はたいした事ありませんでしたが、楽しい一日でした。
江戸指物師の一年には、季節ごとの楽しみがあります。
春には梅見、夏は竹の子狩り、秋にはハゼ釣り、冬にはフグ釣りと、みんなで遊びます。
特に釣りは、道具選びから、仕掛けの工夫、手返しの早さなど、指物製作にとても重要なヒントがたくさん詰まっているそうです。ですから、毎回工夫を凝らしてきます。
また、捕ったものは自分で調理して周りに分けたりして、全部食べつくします。
江戸指物師は、一日中部屋の中で製作していますから、たまには大自然の中で陽の光を浴びてグーッと伸びをする必要があるようです。
 江戸指物と木工品とはどこが違うのでしょうか?どちらも木材で作られています。どちらも生活用品です。そうです、江戸指物は木工品の一つと言うことが出来ます。けれど、私は江戸指物は、「1ランク上の木工品」でなければならない、と考えています。
 材料の吟味、加工の精度、道具の扱い方、より良いものを求める姿勢等、すべてに必要以上の完成度を追求していかなければならないと考えています。
 このくらいでいいだろう、という程度では江戸指物とはいえないと思います。
 単なる木工品ではなく、木工品プラス、遊び心や、一つ上の表現力、理想を追求する真摯な姿勢、それらを、しゃしゃり出ない日本美に包み込んでこそ、「江戸指物」ということが出来ると思います。
江戸指物は、木の育った期間と同じ期間、使い続けられるように組み立てる技術を開発しました。また、春夏秋冬、湿度の急激な変化等によって、木が反ったり割れたりする性質を十分に研究して、組み立てる方向や、組む堅さなどを微妙に調節し、接着剤のつけ方など、それぞれの場所に、適切な技法を用いて、長い間変わらずに使い続けることが出来る製品に作り上げるのです。そして、その表面を拭漆という、杢目を生かす丈夫な塗装を施すことによって、変わらない美しさを保つことに成功したのです。
江戸指物は、毎日の生活に役立つものでなくてはなりません。鑑賞するだけのものは江戸指物ではありません。生活に必要なさまざまなものを、収納したり、飾ったりできなければなりません。また、姿を見たり、手紙を書いたり、座ったり、そのほか、あらゆる生活動作に役立たなければなりません。そのために江戸指物は、抽斗、棚、盆、箱、扉、台、鏡などを組み合わせて出来ています。
自然の中の木を美しいと感じる人は、世界中にいらっしゃると思います。しかし、加工した木材に「美」を感じる人は、それほどいらっしゃらないのではないでしょうか?それでは、加工した木材から「美」を感じさせることができる人はいるでしょうか?日本では、彼らのことを、江戸指物師と呼んでいます。
つたない文章ですが、江戸指物のことや伝統工芸としての和家具のことなど、思いつくままにつぶやいてみようかと思っております。どうかごひいきにしていただければ幸いです。

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